かさつきに尿素。尿素って何?

手荒れがひどくなる乾燥の季節、よく「尿素」という言葉を耳にします。

尿素は、主にタンパク質の代謝産物であり、尿中に含まれる成分の一部です。体内でタンパク質が分解されると、その過程でアミノ酸が生じ、さらにアンモニアが生成されます。このアンモニアが肝臓で尿素に変換されます。尿素は水に対して溶けやすく、体内で生成された尿素は血液を通じて腎臓に運ばれ、尿として排泄されます。

名前に「尿」とつくので、敬遠されるかもしれないですが、すごいやつなのです。

まず、「化学」の歴史を変えました。有機化合物は,19世紀初頭まで,生物、または生命を持つもの(有機体) から得られる化合物を意味していました。なので、「生命」が無いとできないとされていました。ところが1828年、無機化合物であるシアン酸アンモニウムを加熱すると,尿に含まれている有機化合物である尿素が得られることを発見し,有機化合物も無機化合物から人工的に合成に成功しました。化学にとってとても重要な物質です。

「人体」でも、体内で生成される有毒なアンモニアを尿素として変換し、体外へ排出するので、尿素がないと健康でいられません。

「植物」にとっては肥料となります。肥料の三要素の窒素、リン酸、カリウム。この窒素の含有量が多いうえ、PHが中性なので使いやすい物質のなります。そして非常に水に溶けやすく、使いやすいという特徴があります。

さて、本題ですが、皮膚のかさつきに「尿素」は何をしているのでしょうか。

今まで、「水に溶けやすい」という言葉が複数回出てきました。まさにこの特性からです。尿素は水と水素結合をする性質を持ちます。尿素が水分子をとらえます。この保水力が皮膚の乾燥を防いでくれます。

あと、皮膚のかさつきは角質化といわれ、ケラチンというたんぱく質からなります。水素結合により、角質として形となっています。そこに、もっと水素結合しやすい尿素がやってくると、これを破壊していきます。よって、角質が柔らかくなっていきます。なので、いまの時期によく使われる物質です。

ただし、この作用により、肌のターンオーバーを早めます。かさつきなどが解消されても、常時使いをしていると、ターンオーバーが早くなりすぎて、未熟な肌が表面化する可能性があります。

ですので、時期と使用箇所を注意して使用してくださいね。

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