ストレッチに適した時間

「ストレッチは何秒やりますか?」急に質問から入りましたが、皆様いかがでしょうか?

毎日暑すぎて、運動する気にもなりませんよね。

実際に、筋肉が硬くなっているお客様が増えています。

外でウォーキングや運動ができない分、室内でストレッチなどして、筋肉の柔軟性を保ちたいものです。

ストレッチの語源は「strakjana」とされ、「伸ばす」という意味。英語の「straight」と同じ語源とされる。

なので、調べると、いわゆる「ストレッチ体操」と「伸縮性のあるもの」の他に、「競技場などの直線コース」という意味もある。

この「ストレッチ体操」の事に書きます。

なぜ、「ストレッチ」の言葉に複数の意味を書いたというと、この「ストレッチ体
操」にも種類が複数あるからです。

大きく分類すると、「スタティックストレッチ(静的ストレッチ)」と「モーション
ストレッチ(動的ストレッチ)」があります。

「ストレッチ」と聞いて、多くの方が思いつくのは「スタティックストレッチ(静的ストレッチ)」です。静かに伸ばすストレッチです。こちらは筋繊維を伸ばして、柔軟性を高めるもの。「モーションストレッチ(動的ストレッチ)」は筋温を上げ、関節可動域を広げるものです。

今日は「スタティックストレッチ(静的ストレッチ)」について書きます。

もう一度お聞きします。「ストレッチは何秒しますか?」

このスタティックストレッチ(静的ストレッチ)は1回における時間が大事になってきます。お客様にお聞きすると、「5秒」という時間が多かったのです。これは効果的な時間ではありません。よく体育の授業やTVなどで30秒というのを聞きませんか?これには理由があります。

それは「伸張反射」です。

筋肉が受動的の伸ばされると脳は「縮め!」という信号を送ります。これは、本来、ケガ防止の機能です。誰かから急に押されると、筋肉に力が入り固まってしまいますよね。もし、これがなければ、頭が吹っ飛び、大ケガにつながります。(大げさに書きましたが・・・。)この「伸張反射」から切り替わり、筋肉に「伸びろ!」と信号を送るには7~8秒、伸ばし続ける必要があります。なので、スタティックストレッチでは、20~30秒が理想です。

スタティックストレッチは継続的にすることで、効果が発揮してきます。なので、1日だけやるのではなく、4日は継続的にやりましょう。3日を過ぎると習慣化する確率が増えます。

あと、このストレッチは就寝前がオススメ。副交感神経が優位になりやすいので、寝つきが良くなります。ゆっくりと深呼吸をしながら、「伸ばす!」ではなく、「伸ばされる~」という意識でやるのがコツです。この画像は手の力で「伸ばす!」ではなく、腕の重みで「伸ばされる~。」とストレッチしているものです。

今年は夜も暑く、寝苦しい日が続いております。「深呼吸×ストレッチ」で気持ちを落ち着かせ、体力・気力の回復をしましょう。

■補足

スタティックストレッチのオススメは就寝前です。

ではなぜ夜か。通常の運動前には大きい影響は出ないとは思いますが、試合前はスタティックストレッチだと適さないことが多いからです。理由の一つは「リラックスしすぎるから」。戦闘モード、試合モードになるには交感神経も必要です。副交感神経が優位になりすぎると集中できない可能性があります。二つ目は「筋肉が力を発揮するのは収縮する時だから」。筋繊維が伸びていると、収縮するまでに時間がかかるので、パフォーマンスが下がると言われています。

その点、モーションストレッチ(動的ストレッチ)は交感神経に刺激が加わるので、運動前に最適です。やる気が出ないときに、腕をぐるぐる回すと、「なんかやる気が出てきた気がする。」と感じるのではないでしょうか。

春に盛り上がったWBC。観ていた時に「メジャーリーグでは準備運動でストレッチはしない。ゴムチューブの方が早く体が温まるじゃないか。」という解説を聞いたような気がします。実際に、日本のプロスポーツ選手で、試合前にスタティックストレッチストレッチをする人はかなり少ないと推測されます。

状況に応じて、適したストレッチをしましょう。例えば、起床時は寝ている間に縮こまった筋肉をグーっと伸ばしてから、腕をぐるぐる、手足ブラブラと揺らす。日中の休憩入りたてはスタティックストレッチ。最近は酷暑なので、しっかり体を休ませ、仕事に戻る前はモーションストレッチ。入浴後、就寝前にはスタティックストレッチをする。

今年の暑さは体力の消耗が激しいです。例年以上に体のケアをしていきましょう。