脾気虚(ひききょ)とは
東洋医学の「脾(ひ)」とは西洋医学での脾臓は異なります。脾は広い意味で消化吸収機能を指します。よって、胃や膵臓、小腸、大腸などの働きです。
東洋医学の「脾」は、統血作用、運化作用、昇清作用などがあると考えています。
今回の内容で関係してくるのは、運化作用と昇清作用です。
運化作用は食べ物を消化し、全身へ巡らせる作用のことです。生まれながらにもっているエネルギーを先天の精といいます。これを司るのが「腎」、それに対し後天の精を司るのが「脾」です。生まれ持ったエネルギーだけでは生きていけないので、脾から絶えず栄養を補給しなければなりません。食べないと元気が出ませんよね。
昇清作用とは消化した栄養を心、肺、頭に昇らせる作用。そして、「昇」という字のごとく、「上」へと力が働く作用の事。内臓下垂などをくい止め、そのままの位置へと維持をしている作用です。
脾気虚とは「脾」の「気」が弱っている状態を指します。具体的には、消化機能や栄養吸収が不足している状態を表し、以下の特徴があります。
□消化不良:食べ物の消化が効率的でなく、胃腸の不快感や腹部膨満感が起こりやすい。下痢や便秘が起こりやすい。
□栄養不足:食べても体に必要な栄養が適切に吸収されず、エネルギー不足を感じることがある。
□食欲の変化:甘い食べ物や冷たいものに対する欲求が高まることがある。
□疲労感:持続的な体力不足や疲れを感じやすい。
□冷え性:体温調節が難しく、寒さに弱い傾向がある。
最後の冷え性ですが、冷たい物の継続的な飲食により、引き起っている可能性があります。冷たい物が好き、しかも、甘い物を好む傾向にあると、この「脾気虚」の可能性が増えます。
「脾」の機能が低下しすると、食べ物の消化と栄養吸収が効率的に行われません。このため、甘いものなどの高カロリーな食品が、即座にエネルギーを提供する手段として、体が無意識に要求している可能性があります。
最近、疲れやすく、下痢が多い。腹部が張っている。むくむ。食後にすごい睡魔がやって来る人は「脾気虚」なのかもしれません。
お腹を温める。よく噛み、ゆっくりと温かい物を食べる。消化の良い物を食べるようにして、消化器官をいたわりましょう。すると胃腸の動きが活発になり、アイスクリームに対する欲求が減少するかもしれません。
今年は暑すぎて、アイスクリームがおいしい年でした。しかし、これから気温が下がってきた時も、同じペースで食べてしまうと、体の冷えが進み、元気がでなくなる可能性があります。
朝晩の気温が20℃ぐらいに下がってきたら、食生活を見直してみましょう。そして、ゆっくりお風呂に入り、適度な運動などして「温活」を始めましょう!