中秋の名月とからだの巡り

今日は 中秋の名月。

旧暦(太陰太陽暦)では「8月15日」にあたり、昔の人にとっては、秋の真ん中=ちょうど実りの季節でした。

この暦では、月の満ち欠けが一か月のリズム。

夜空の月は、暦そのものでもありました。

「月が満ちる=自然の力が満ちる」と考えられ、十五夜はその力をいただき、収穫や健康に感謝する大切な日だったのです。

■秋の真ん中で整える

旧暦の8月は、今の季節でいえば9月中〜10月初めごろ。昼夜の寒暖差が出て、体の巡りが乱れやすくなるころです。

昔の人はこの時期、「夜風にあたりすぎないように」「月を眺める時は温かいお茶を添えて」と、体を冷やさない工夫をしていました。

お月見団子や里芋、栗などの“秋の恵み”には、気(エネルギー)と潤いを補う働きがあります。

今も変わらず、からだを優しく整えてくれる秋の食べものです。

特に今夏は気温が高く、気(エネルギー)の消耗が激しいうえ、秋に入り、急に気温の低下や乾燥がやってきました。

“秋の恵み”をいただき、からだをいたわりましょう。

太陰太陽暦の時代、人々は自然のリズムに寄り添って「休む」「温める」「感謝する」を大切にしていました。

現代はスピードの速い日々ですが、今夜だけは少し足を止めて、静かに月を見上げてみましょう。

温かい飲みものを手に、呼吸をゆっくり整えるだけで、巡りのリズムもやさしく調っていきますよ。